top of page

お客様インタビュー

佐賀県様

image6.jpeg

導入

佐賀県の企業立地課では、製造業やIT企業などの県内への誘致を目指し、これらの企業へのアプローチ手段として展示会への出展を行っている。
従来は行政職員のみでブース準備から運営まで対応してきたが、出展効果を高めるために戦略的な手法へ転換する必要に迫られていた。
そこで、専門知見を持つ外部コンサルタントとの連携による新たな挑戦に踏み切った事例である。
実際にプロジェクトを担当した荒井氏(佐賀県企業立地課)は、「新しい挑戦をしたいという思いがあり、専門的な知識を借りて運営したいという意図があった。
従来のやり方に加え、より効果的な運営方法を模索し、外部の視点を取り入れることで新たな可能性を広げたいと考えた」と振り返る。
また、通常は接触が難しい見込み企業と直接つながりを持ち、様々な企業動向の情報収集ができる手段として展示会に大きな期待を寄せていた。
本プロジェクトでは、W CREATIVE株式会社をパートナーに迎え、展示会ブース設計から広告戦略の立案、当日の運営計画作成、適切な人員配置、さらに終了後の振り返り体制構築に至るまで包括的な支援を受けている。以下では、その背景と課題、講じた戦略と具体的施策、得られた成果、今後の展望、そして行政の企業誘致活動における示唆について、荒井氏の評価コメントを交えながら報告する。

image1.jpeg

課題

荒井氏によれば、プロジェクト開始前に佐賀県が直面していた課題は以下の通りである。

  • ブースの集客力が弱い: 従来の行政ブースでは展示会場で来訪者の関心を引く力が不足しており、十分なリード(見込み顧客)を獲得できていなかった。

  • 効果測定と振り返りの欠如: 展示会後に得られた反応や成果を体系的に記録・分析する仕組みがなく、出展の成功・失敗を客観的に評価できていなかった。

  • 費用対効果への懸念: 出展には多額の費用が掛かる一方で、明確な成果指標がないため投資対効果に不透明感があった。

  • 専門ノウハウ・知見の不足: 行政内だけでは最新の展示会運営ノウハウが蓄積されにくく、職員の人事異動も多いため専門知識が組織内に定着しづらい状況であった。

  • 内部視点のみで限界: 自治体単独の取組では自らの課題に気付きにくく、業務内容も属人的で不透明になりがちであったため、外部専門家の視点によるフィードバックに対する期待も大きかった。

image2.jpeg

これらの課題を前に、荒井氏は展示会効果を最大化する為、抜本的な戦略転換の必要性を痛感していた。

戦略

まず佐賀県は、課題解決に向けて外部専門業者との連携を行うためプロポーザル公募を行った。その結果、最優秀提案者としてW CREATIVE社を選定している。
選定理由として、「単なるブース装飾業者ではなく、展示会の基礎からマーケティング活用まで全体像を理解している点」を挙げ、ロゴの見栄えだけでなく何を盛り込むか・どう戦略を立てるかを両面から構築できる同社の戦略立案力を評価した。
また、「展示会を目的ではなく手段として捉えている点」すなわち展示会を企業誘致のための全体施策の一つと位置付け、戦略から議論できる姿勢を重視したという。
次に、プロジェクトの企画段階ではターゲット設定と戦略目標の明確化が図られた。
W CREATIVE社からの提案は展示会の来場ターゲット層を詳細に分析し、時には業界分野を変えて複数の展示会に出展する選択肢を提示するなど多角的な視点に富んでいた。
実際、蓄電池関係の企業が出展するバッテリージャパンや半導体産業向けのセミコンジャパンなど複数の異なる展示会への出展提案がなされた。
各施策には細かな数値データに基づく根拠が添えられており、それにより県庁内での意思決定も円滑になった。
定量的エビデンスに裏打ちされた提案力に信頼を寄せた。
さらに、長期目標と短期指標の双方を見据えた戦略設計が行われた。
企業誘致の成果(例:製造業の新規進出)は5年~10年といった長期間を要する場合もあるため、短期的なKPI設定には工夫が必要と認識された。
そこで、名刺交換数など展示会ブースで取得できる定量項目を暫定的な成果指標と定め、振り返りの中で妥当性を検証しつつ改善を図る方針とした。
実際、プロジェクト開始当初は過去事例がなく適切なKPI設定自体が困難であったため、フィードバックを重ねながら佐賀県と支援チームが協働で評価指標を作り上げていくプロセスが採られている。
このようにして、戦略段階から明確なゴール設定とデータに基づく意思決定の枠組みが構築された。戦略策定段階でのこれらの取り組みにより、具体的施策の実行に移る土台を固めることができた。

image3.jpeg

施策

佐賀県は上述の戦略に基づき、W CREATIVE社の支援のもとで以下の具体的施策を実行した。

1. ブース設計

専門チームの提案により、単に見栄えを整えるだけでなく明確なメッセージ性とストーリー性を持たせたブースデザインを採用した。ブースには、佐賀県に進出済みの企業事例を起点にBCP(事業継続計画)や物流といった  地域の強み、行政の支援体制へと話がつながる一貫したストーリーが盛り込まれ、職員にとっても説明しやすい構成となっていた。また、ピクトグラム等の視覚要素を活用して直感的に情報を伝える工夫も凝らされた。実際、セミコンジャパンなど大型展示会での佐賀県ブースは「目立って伝えたいことがしっかり入っている」と評価され、他自治体職員からもブースの評判は良かった。佐賀県自身も「分かりやすさ」「ストーリー性」「伝えたいことが伝わるデザイン構成」にこだわってブース全体を設計し効果的なブース設計であったと考えている。

image4.png

2. 広告戦略

展示会でターゲット企業に確実にリーチするため、事前および会期中に多面的な広告キャンペーンを展開した。例えば、PR動画シリーズを制作してYouTube広告として配信し、5本合計で10万回以上の視聴を獲得している。また、展示会場へのアクセス路線である東京のゆりかもめ線の車内広告を活用し、1編成あたり3種類のポスターで佐賀県の優位性(BCP対策、低コストの立地環境など)を訴求した。この交通広告は1週間で約100万インプレッションと、当初目標の10万を大きく上回る反響を記録し、費用対効果の高い施策となった。さらに東京駅構内のデジタルサイネージ広告や都心オフィスビルのエレベーター広告も併用し、経営層を含む幅広い層への訴求を実施している。荒井氏は、これら積極的な広告展開により「(広告で)認知していると言ってブースに来訪する人」が多数現れたことを挙げ、展示会前後の広報活動が来場者の質と量の双方に寄与したと評価する。なお、バッテリージャパン会場の佐賀県ブースではPR動画を上映し、「動画で見た」と話す来場者が多数現れ、「オフィスで流れる映像で佐賀県だと気づいた」との声も聞かれた。

3. 運営計画

展示会準備段階から当日運営、事後対応に至るまで切れ目のない計画策定と実行支援が行われた。W CREATIVE社は佐賀県と緊密に連携し、準備段階では定期的な打合せのもと出展内容やスケジュール計画を策定した。また、会期中に想定外の事態や調整事項が発生した際にも現場で柔軟に対応し、滞りない運営に寄与している。このように綿密な運営計画と即応体制を整えたことで、佐賀県当日の企業対応に専念できる環境が構築された。

4. 人員配置

W CREATIVE社から営業経験豊富な人材が展示会プロジェクト専任として配置され、同じ担当者が継続して支援に当たった。この情熱ある専門人材がブースに立つことで、会場の雰囲気が活性化し、来場者への声掛けや関係構築が積極的に行われた。荒井氏も「情熱ある担当者の存在がブースの雰囲気を変えることを実感し、リード獲得人材の配置は非常に効果的だった」と述べており、プロによる人員配置が成果に直結したと振り返る。

5. 振り返り体制構築

展示会終了後には定量・定性両面での効果検証を行い、知見を次回へ引き継ぐ仕組みを確立した。佐賀県とW CREATIVE社は共同で来場者数や名刺交換数といったKPIの達成状況を計測・分析し、広告経由のインプレッション実績なども含めて詳細な報告資料を作成した。
加えて、内部では関係者全員で振り返りミーティングを開き、寄せられた反響や現場での気付きも共有した。こうした振り返りプロセスを通じ改善点が明確になり、今回得られた成果指標は今後の展示会と比較評価するための基準値となった。佐賀県は蓄積されたデータとフィードバックをもとに、次回以降の戦略立案に活かせる体制を手にしたと言える。

image5.jpeg

成果

こうした戦略と施策の結果、佐賀県の企業誘致活動には顕著な成果が現れた。

  • 認知度と来場者数の向上: 積極的な広告展開の効果により佐賀県の認知度が高まり、「広告で見た」と言ってターゲット企業関係者が多数訪問した。展示会場での佐賀県ブース来場者数も増加し、従来に比べブースは活況を呈した。

  • 質の高いリード獲得: ブースデザインと人員配置の工夫によって来場者との対話機会が増え、名刺交換数を含むリード獲得件数が伸長した。行政ブースでも効率的に新規見込み企業と接点を持てることが実証され、特定の業種・層へのアプローチの成功や関係構築の進展、イメージ向上など定量化しきれない効果も多く得られた。

  • 施策に対する高評価: 練り上げたブース演出とマーケティング施策は内外から高い評価を受けた。前述の通りセミコンジャパンでのブースは他自治体からも称賛され、佐賀県が打ち出したゆりかもめ線広告ジャック施策は県内外のステークホルダーのアピールにつながった。

内部知見の蓄積と意識改革: 「プロジェクトを通じて得られた各種データやフィードバックは組織内に蓄積され、今後の活動に活かせる財産となった。」と述べるなど、戦略的な企業誘致へ向けた職員の意識改革も大きな収穫である。また、展示会を通じて普段聞くことのできない経営層の生の声を直接得られ、佐賀県が提供する価値を見直すヒントも得た。展示会を通じた新規営業機会の重要性が議論され、今後の施策選定にも本事例の知見が反映される見込みである。

展望

佐賀県は本プロジェクトで得られた知見を活かし、今後も戦略的な企業誘致活動を深化させていく考えである。
具体的には、今回確立したPDCAサイクル(目標設定・実施・効果測定・振り返り)を次回以降の展示会にも適用し、施策ごとの効果をデータに基づき検証しながら継続的に改善を図る。
特に、今回基準値として得られた名刺獲得数や広告リーチ数などの指標を上回ることを目標に据え、より高い成果創出を目指す計画である。
このように外部知見と内部強化を両輪で進めることで、スタッフ異動の中でも知見が失われない持続的な体制を築く狙いがある。
企業誘致の成果が具体的な企業進出という形で現れるまでには年単位の時間を要するが、佐賀県は長期的視野で種を育てていく戦略である。
展示会で得たリードに対しては継続的なフォローアップを行い、関係構築を深めることで将来的な誘致成功につなげる見通しだ。
今後は展示会のみならず他のプロモーション施策にもデータ駆動型の戦略思考が波及すると期待され、県全体のマーケティング力強化にも寄与していくだろう。

image6.jpeg

示唆

本事例から得られる示唆として、荒井氏は以下のポイントを強調している。

  • 外部専門知見の活用: 行政の従来手法だけでは気づけない課題を、民間の専門家の視点で洗い出し改善につなげることの有効性。外部パートナーとの協働により業務の透明性が高まり、新たな施策にも挑戦できる土壌が生まれる。

  • 戦略的アプローチの重要性: 展示会を「目的」ではなく企業誘致の「手段」として位置付け、全体戦略の中で計画すること。何のために出展し何を得るかを明確にした上で臨むことで、施策の一貫性と効果が格段に向上する。

  • データに基づく効果検証とPDCA: 定量的な目標設定と結果の測定・分析を徹底することで、施策の説得力と組織内の合意形成が高まる。数字で示された成果は次の予算確保や経営層の支持を得る上でも有用であり、PDCAサイクルを回すことで継続的な改善が可能となる。

  • 適切な人材配置: 展示会ブースにプレゼンテーション力と情熱を兼ね備えた人材を配置することの価値。営業のプロフェッショナルが現場にいるだけで来場者の反応は大きく変わり、成果創出を加速できる。

  • 一貫したメッセージ発信: ブースデザインや広告物において訴求メッセージを明確かつストーリー性のある形で伝える工夫。伝えたい内容を整理して視覚的にも分かりやすく表現することで、ターゲットに刺さる訴求効果が得られる。

以上のように、佐賀県の取り組みは行政の企業誘致施策における新たなモデルとなり得る。他の自治体にとっても展示会活用のヒントとなり、従来の延長線上に留まらない戦略的なアプローチの重要性を示している。

FAQ

​よくある質問

INTERVIEW

SERVICE

​サービス

ウェブサイト制作_ダブルクリエイティブ

動画マーケティング

コンサルティング

動画マーケティングは、複雑な製品やサービスを分かりやすく伝え、顧客との共感を生み出す強力なツールです。ダブルクリエイティブの動画マーケティングコンサルティングは、お客様のビジネス目標達成に焦点を当て、戦略的な動画コンテンツの企画・制作・配信を支援いたします。ターゲット層に響く動画によって、潜在顧客の獲得、ブランドイメージの向上、そして売上拡大へと繋げます。
動画制作・映像制作サービス_ダブルクリエイティブ

動画コンテンツ制作

​映像コンテンツ制作

ダブルクリエイティブでは、貴社のビジネス目標達成を支援する、戦略的な動画・映像制作を提供致します。企画段階から綿密な打ち合わせを行い、ターゲット層に響く、高品質な映像コンテンツを制作致します。経験豊富なクリエイティブチームが、貴社のビジョンを鮮やかに表現し、ブランドイメージの向上、そしてビジネス目標達成に貢献致します。
展示会ブース・コンサルティングサービス_ダブルクリエイティブ

展示会ブース

​コンサルティング

貴社のブランド価値を最大限に高め、来場者の心を掴む、戦略的な展示会ブースを創造致します。ダブルクリエイティブは、豊富の実績とノウハウに基づき、貴社のビジネス目標達成に最適なブース設計、空間デザイン、演出、そして運営まで、トータルにサポート致します。差別化されたブース空間で、貴社の存在感を高め、新たなビジネスチャンスの創出をサポート致します。
ウェブサイト制作_ダブルクリエイティブ

ウェブサイト

​ランディングページ制作

貴社のビジネス目標達成を導く、戦略的なウェブサイトランディングページ制作を致します。ターゲット層に響くデザインとコピーライティングで、ウェブサイトへの訪問者を顧客へと誘導し、コンバージョン率向上に貢献致しますダブルクリエイティブは、効果測定に基づいた改善提案により、貴社のウェブサイトを更なるビジネス成長へと導きます。
広告運用・動画SEO・プレスリリース_ダブルクリエイティブ

広告配信・プレスリリース

動画SEO対策

貴社の動画コンテンツを最大限に活用し、ターゲット層へのリーチ拡大とビジネス目標達成を支援致します。効果的な広告配信戦略と動画SEO対策によって、貴社の動画コンテンツを、より多くの潜在顧客へ届け、ブランド認知度向上とコンバージョン率向上を実現致します。ダブルクリエイティブは、戦略的な動画マーケティングで、貴社のビジネス成長を加速させます。
YOUTUBEチャンネル運用_ダブルクリエイティブ

YOUTUBE

チャンネル運用

ダブルクリエイティブは、貴社のビジネス目標達成を支援する、戦略的なYOUTUBEチャンネル運用サービスを提供致します。動画コンテンツ企画・制作から、効果的な配信戦略、視聴者とのエンゲージメント強化まで、トータルにサポートすることで、貴社のブランド認知度向上と顧客との繋がりを深めます。YOUTUBEを活用したマーケティングで、貴社のビジネスの可能性を広げます。
営業支援ツール_ダブルクリエイティブ

HUBSPOT(営業支援ツール)  

導入支援

マーケティング活動をサポートするため、HubSpotの導入支援サービスを提供。HubSpotは、インバウンドマーケティングに特化したオールインワンのプラットフォームであり、マーケティング、セールス、カスタマーサービスの効率化と最適化を実現致します。ダブルクリエイティブのコンサルタントが、貴社のビジネスニーズに合わせて設定、カスタマイズ、トレーニングまで一貫してサポート致します。
AIフォームマーケツール_ダブルクリエイティブ

AIフォームマーケツール

導入支援

ダブルクリエイティブのフォームマーケティングは、ターゲット企業の問合せフォームを活用し、効果的なPRを実現致します。専門スタッフが貴社の商品・サービスの強みを分析し、ターゲットの課題やニーズに合わせたオリジナルのPR文書を作成致します。配信後のレポーティングで、運用効果の最大化を狙い、高い反応率と質の高いリードの獲得を実現して参ります。
メルマガツール_ダブルクリエイティブ

メールマガジンツール

​導入支援

豊富な実績を持つダブルクリエイティブの専門スタッフが、貴社の商品・サービスの魅力を最大限に引き出し、ターゲット顧客に効果的にアプローチするメールマガジンを制作。配信スケジュールの策定から、コンテンツ企画、デザイン、配信、効果測定まで、一貫したサービスをご提供致します。開封率・クリック率の向上を実現し、確実な成果に繋げて参ります。
NUMBER
bottom of page